徒然なるままに

w-inds.への日々の想いを書きとめたもの

マジBeautiful Now

w-inds.が3人から2人になって1年が経った。その間に世の中の価値観も大きく変わって、かつてない世界規模の大きな変化に自分の心とも向き合うような1年だった。

話は変わるけれど4月期のドラマでハマっていたのが坂本裕二脚本、松たか子さん主演の「大豆田とわ子と三人の元夫」だ。その中で松たか子さん演じるとわ子が親友を亡くして1年、誰にもその辛さを吐き出すことができずに抱えていた気持ちを、知り合って間もないオダギリジョー演じる小鳥遊に打ち明けるシーンがある。傍にいることもできず最期を1人きりにしてしまった後悔を抱えるとわ子に遊が言った言葉が

「過去とか未来とか現在とかそういうのってどっかの誰かが決めた事だと思います。時間って別に過ぎていくものじゃなくて、場所っていうか別の所にあるものだと思うんです。人間は現在だけを生きているんじゃない、5歳、10歳、20歳、30、40、その時その時を人は懸命に生きててそれは別に過ぎ去ってしまったものなんかじゃなくて、あなたが笑ってる彼女を見たことがあるなら彼女は今も笑ってるし、5歳のあなたと5歳の彼女が今も手を繋いでいて今からだっていつだって気持ちを伝えることができる」

この言葉がストンと胸に落ちて私も救われたような気持ちになった。

あの時が最後だった、もっとこうしていたら良かった、コロナがなかったらこんな事にはならなかった、コロナ禍でこんなことを考えた人はどれくらいいるだろう。誰にとっても予期しなかったような想像しなかった世界が現実になり、人と人が会う機会が奪われ、それ以前の日々を思い、過ぎてしまった日々に後悔してしまう事は大なり小なり誰にでもあったのかと思う。

w-inds.から龍一くんが脱退してしまうのをファンクラブからの連絡で読んだときに自分でも驚くくらいに手が震えて、初めて知らされた病気の告白と当たり前にあると信じていた3人がなくなることに辛くて涙すら出なかった。そして前から龍一くんの不調をなんとなく感じていたのでやっぱりというわかってほっとした気持ちもどこかにあった。龍一くん脱退に至るまで3月14日のw-inds.19周年の日の投稿と個人でパーソナリティをしていたラジオの収録以降、龍一くんはSNSに姿を表さなくなり4月、5月、慶太くんと涼平くんはライブも無くなった中でインスタライブやツイキャスでファンを楽しませる交流をしてくれていた。みんなが龍一くんのことを聞いても話をはぐらかしたり、この頃には突然の脱退が決まっていて2人とも今後どうしていくか模索していてファンと楽しくやり取りする中で何か糸口を見つけようとしていたように感じる。涼平くんがその時の気持ちをFacebookにあげている。

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今後どうなるのか不安な気持ちで待つファンに2人がくれたのはw-inds.を続けていく選択とこれまでのw-inds.も今も大切に思わせてくれる“Beautiful Now”という素敵な楽曲だった。

この曲を聞いた時に脱退を聞いてから辛くて泣けずにいて堰き止めていた気持ちが溢れて涙が止まらなくなった。そして19年という月日にいつもw-inds.の音楽が側にあって本当に3人の姿が大好きだったんだなと実感させられた。悲しくて受け入れられなかった気持ちを俯瞰で見られて、本当なら2人だってそれ以上に悲しかったはずなのになるべくファンの皆を悲しませないように、前を向いていく気持ちをこの曲にこめてくれたことが伝わってきて私も変化を受け入れていこうと覚悟することができた。

“Don't forget この光景 心に刻もうぜ 

挑むさもうone chance 光と影をoverlay” 

“We''re beautiful now

Life has its ups and downs

止めない music and dance

We''re beautiful now”

Beautiful Nowは辛く悲しい時も、悩み苦しむ時も良い時も悪い時も含めてその姿が人生において美しい瞬間だという意味も込められている。2人のw-inds.になっても歌って踊ることはやめずにダンスを続けてくれることも約束してくれた。

今スッキリとHuluで放送されているSKY-HIのオーディション番組THE FIRSTでもこの曲が課題曲となって使用された。その時に驚いたことが私たちファンにとっては新しいw-inds.の一歩を踏み出すことになったこの曲が、オーディションを受ける子たちの気持ちと重なって音楽が違う広がり方をしたこと。そこにはSKY-HIが話していた音楽と仲良くなれたらこの曲のもつ意味を体現できるという狙いもあったけれど中でも未経験のカドサワンレイコくんが本当にその意味をわからせてくれた。未経験なことはわかって見ていたのに24時間でレイちゃんが上手くなるように惜しみなくアドバイスをして練習に付き合うランくんとテンくん、本人の元々持っている能力が発揮されてBeautiful Nowのパフォーマンスは思わず涙がでるくらい素敵なものだった。それは荒削りなパフォーマンスの中にも心がそこにあって曲にその気持ちがのったからだと思う。レイちゃんが力強く歌った“諦めないどんな時も〜”という歌詞がこのために用意されたのかと思うくらいに音楽が寄り添っていた。

それから更に審査は山梨合宿の6人対6人のパフォーマンス対決で12人の中から1人テンくんが脱落することになった。12人のメンバーの中で1人去っていくテンくん、SKY-HIの前で日高くんに憧れて日高くんのようになりたくて、いつの間にか楽しむことより自分を追い込んでしまったことを泣きながら話すテンくんにもらい泣きしてしまった。テンくんに対してSKY-HIが自分を追い込む環境から一度自分を逃してあげて甘やかしてください、できればアートを心の栄養に携えてくださいという言葉の選び方もとても愛に溢れていた。見送る11人のメンバーがみんなでテンくんを抱きしめる姿にはこのオーディションを通してライバルだけれど仲間だった彼らの絆も感じた。テンくんにとってはここが通過点で音楽を愛する仲間を手に入れてその先で彼らが出会えることも期待している。テンくんがBeautiful Nowで“Don't forget この光景 心に刻もうぜ 挑むさもうone chance 光と影をoverlay 降り止まない雨などnothing 痛みと共に僕らgrowing”と歌ってパフォーマンスに気持ちがのって楽しくて笑顔になる力強いテンくんをみて私もテレビ画面の前でその心が伝わるパフォーマンスにつられて笑顔になった、素晴らしいものを見せてくれたことに感謝。

パフォーマンスは5分26秒

ボーイズグループが次から次にデビューする今の時代、上辺をよく見せるため商品としての価値を守るために歌って踊るグループが音源を流してダンス曲で口パクをするのは当たり前にあるしその方が多い。けれど生歌で歌って踊るパフォーマンスに拘って極めてきた人を見てきた私はやはり生にこめられる気持ちの強さや表現を素晴らしいなと思うし、荒削りでも伝わってくるものがあるとこのオーディションを見て再確認した。歌いながら踊るという苦しいことをわざわざやる、極めるその真意は突き詰めればそこに彼らの音楽やダンスへの愛、必ずそこを極めると届く人がいることを信じて活動してきた意味もあると思っている。既存の日本の事務所の型にハマれずに韓国を目指す子達も、才能が海外へ流出する前にその子たちの居場所をSKY-HIが日本でもこれから大きな一歩として作っていくのも楽しみに思う。SKY-HI対11人という漫画の様な展開も、この子達が与えられた音楽で自分を表現するために考え、相手を尊重して作り上げたクリエイティブなパフォーマンスは何度も見ていたくなる面白さがあった。まだ荒削りな部分はあるかもしれないけれど私が見たいものはまさにこれだった。

話を戻して今年の3月14日にw-inds.は20周年を迎えて初めてファンの前でオンラインショーという形で新生w-inds.のパフォーマンスを披露した。これまではボーカルの慶太くんがメインで歌い、涼平くんと龍一くんは左右でおどるスタイルだったのが、2人になったので涼平くんをツインボーカルとして前に出てもらい積極的に歌わせることで新しい形に変化している。そこで驚いたことは3人から2人になったら足りない部分を探してしまうのかなと思っていたのに、2人が20年かけて積み上げてきた歌とダンスの揺るぎない実力を遺憾なく発揮してフォーメーションや歌割りも変えて新しく満足できるパフォーマンスに仕上げてきたことだ。それは長年見ていた私も悲しい気持ちに引きずられずに楽しませてくれるものだった

『Let's get it on』

こちらは慶太くんが初めて作詞作曲編曲まで手がけたw-inds.セルフプロデュースの始まりとなった曲『We Don't Need To Talk Anymore 』

そしてまだ声変わり前のParadox こちらは20年の月日を感じられるように当時のMVとの比較で

今後THEFIRSTのボーイズからデビューできる人は5人になるけれど、同じ夢や目標を持った彼らがデビュー前にパフォーマンスや人柄で人を魅了したのは間違いない事実だしこのオーディションに出たことを名刺にして別の道でまた繋がることも期待している。ザストを見ている方にもよかったらw-inds.をおすすめしたい。w-inds.は宣伝広告やメディア露出も少ないので知っている人は少ないかもしれないが移り変わりの激しい音楽業界で海外での活躍も含めて真面目に音楽と向き合って実績を築いているグループだ。常に引き出しを増やすために新しい音楽や表現にチャレンジしてきた、音楽やダンスが好きな人ならきっとこれまでのw-inds.をみて楽しい時間が過ごせるので良かったら。ちょうど20周年を記念してMV集が発売しているので、気になった方はぜひ(Beautiful Nowまで収録)

そして真骨頂はライブなので試しにライブを見てみたい方はサブスクでライブ見放題も始まったのでぜひ(他サブスクでもライブのデジタル映像販売やレンタルもあり)

w-inds.をみてきた20年という月日はあっという間のようでどの瞬間を思い出しても楽しい時間だった。子供から大人へ変わっていくのを傍で見ながら自分も大人になった。学生時代に友達とカラオケでw-inds.を歌ったこと、上京する時に聞いた曲、慣れない東京の生活で移動時間にw-inds.を聞くことが癒しになったこと、何時間も並んでラジオの公開収録をみたこと、ライブで毎年皆さんに最高の音楽を届けますと言って必ず次の年にはパワーアップしたものを見せてくれたこと、朝や帰りの通勤にw-inds.を聞いて気持ちが癒されたこと、毎年w-inds.のライブに行けば楽しい気持ちで満たされ日常生活をまた頑張る励みになったこと。曲と共にその歳の自分も思い出すことができる。冒頭の大豆田とわ子の話で私の場合は彼らが過去の曲を歌うとその歳の自分に戻れた、この20年間で大切な人との別れも経験してきてライブで昔の曲を歌った時にお別れした人たちと笑い合っている姿が思い出されて自然と涙が出た。永遠はないのにw-inds.は20年も居場所を作ってくれた、私の人生に力をくれて変えてくれたような存在。今2人になったw-inds.とこれから何年一緒に過ごせるかはわからないけれど、このブログを書いたことで1人でもw-inds.の音楽に興味を持って届く人がいたら嬉しい。THEFIRSTの子達もデビューしてから何年も止まらずに芸を極めていく道がスタートする、彼らの活躍も心から祈っている。

そしてSKY-HIが言っていたマジBeautiful Nowの瞬間を一緒に感じたい。